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　どこをも見渡しても枯葉色、季節は沈黙を続けているのでしょうか。蝋梅の芳しい香りの記憶もまだ失せていないはずなのに、心和むひと時さえも、沈黙の季節の中に埋もれてしまいそうです。

　枯葉色の季節の中で、沈んでしまいそうな気持ちをそっと力づけてくれたのは、澄み切った青空でした。

　この青空の向こうには、静かに春が待っているはずです。枯葉色の季節は、ただ沈黙している季節ではなく、静かに春を待つ季節でした。

 　夜明け前、東の空に有明の月が浮かんでいました。凍りつくような早朝の空に浮かぶ冴え冴えとした月です。

　夜明け前の月は、馨しい香りを届けてくれるのかしら・・・と一瞬思ってしまいましたが、暗闇の中で咲いていた蝋梅の香りでした。

　立ち止まることもなくも急ぎ足で通り過ぎていく日々の中で、蝋梅の花が咲く頃になったこともすっかり忘れていました。今朝は、少しだけ立ち止まって、夜明け前のひと時を。

　今日は母の誕生日です。今も まだ母の娘としての日々を過ごすことが出来ることの幸せをかみしめています。

　少し小さくなった母の背中に今でも支えられている日々です。そんな日々に感謝しつつ、「いつまでも元気で、私のお母さんでいてください。」という気持ちを込めて明るい黄色のアーチ仕立てのシンビジウムを贈りました。

　年を重ねた両親が寒い季節を乗り切っていくには、何よりも快適な睡眠が大切かと、暖か快眠グッズ3点セットも父とペアで。

　年末年始のお休みもあっという間に終わってしまいました。お正月はふたりだけで過ごしていた両親と合流して、5日から妙義山麓の温泉のあるホテルへ。私は、事務所へと通わねばなりませんが、両親や夫たちはのんびりと過ごすことが出来たようです。

　朝食時に眼下に拡がる朝の妙義山は絶景です。空が少しずつ青くなっていくなか、月が静かに沈んでいきます。月の沈む時刻は、月齢によって決まっているとか。なかなか出合うことが出来ない月沈む時。朝日を浴びた妙義山に月が沈んでいく時を目に焼きつけました。

 　新しい年が始まりました。この年末年始は、どこにも出かけず、小牧の家でのんびり。のんびりといっても、久しぶりに４人揃っての団欒を支える「食」に振り回される日々です。

　新年を寿ぐおせち料理も、手作りしていた頃もありましたが、今は宅配のおせち料理を美味しく頂いています。ただ、筑前煮だけはリクエストに応えて作っていますが・・・。

　お雑煮は、富岡の家と金沢の家の味をアレンジしたものになっています。金沢の家に飾られていた松本佐一作の絵皿を前に、今は亡き金沢の両親を思い出す静かな年の初めとなりました。