2013年

4月

29日

「すみれの谷」で

 4月も終わりの軽井沢に、ようやく本格的な春が訪れようとしています。今年は、小さなスミレ達に沢山出合うことが出来ました。どんな植物も花の時はほんのひと時です。滞在中に出合えたのは、奇跡のような偶然かもしれません。

 「赤毛のアン」を繰り返し読んでいた少女の頃からずっと「スミレ」は、私にとって特別な花。そんな想い入れのあるスミレに、軽井沢の森で出合うことが出来たのです。未だ見ぬ憧れのプリンスエドワード島の自然と軽井沢の自然をいつの間にか重ねていたのかもしれません。

 「森の窪地一面に咲くスミレの花」その様子を聞いただけで、その場所を「スミレの谷」と名づけたアン。軽井沢の小さなスミレ達の姿と、「スミレの谷」を恭しく眺めているアンの想いがそっと重なりました。

 心の奥底に仕舞い込んだはずの「アン」が突然蘇った軽井沢の朝でした。

0 コメント

2013年

4月

27日

軽井沢の春

 連休が始まりました。連休の前半は、久しぶりに家族が軽井沢につどっています。ほぼ5カ月ぶりの軽井沢は、4月も下旬だというのにまだまだ「寒い」です。それでも、桜やこぶしの花が咲き、軽井沢にも遅い春がやって来たようです。

 新緑の季節からは随分遅れて、まだまだ枯葉色が支配している軽井沢の森ですが、小さな芽吹きが少しずつ見られます。ウバユリの群生地は、今どのような感じになっているでしょうか・・・。空気は冷たいけれども、明るい陽射しにようやく目覚めたウバユリの芽。今年もまた出合うことが出来ました。

 家族それぞれがここでしばし翼を休め、またそれぞれの場所に羽ばたいて行くのをウバユリが静かに見守ってくれますように。

 

0 コメント

2013年

4月

25日

宝鐸草

 しばらく前から、実家の庭に鈴蘭やエビネ蘭のような葉が沢山芽吹き、一体どんな花を咲かせるのかしらと楽しみにしていました。雨上がりの朝、ようやくその花を見ることが出来ました。下を向いて咲く薄黄色の花です。

 母に聞くと「ほうちゃくそう」という今まで聞いたことのない花の名前です。漢字では「宝鐸草」と書くそうです。宝鐸って何?と調べてみると、寺院の御堂の四隅の軒に下がる風鈴のような釣鐘のような飾りとのこと。

 和の趣たっぷり、茶花として愛されていることがよくわかります。これは、黄花宝鐸草とのことですが、緑がかった白い花を咲かせる宝鐸草にも是非出合ってみたいものです。 朝一番の小さいけれど素敵な「ときめき」に、何だか今日一日頑張れそうな気がしてきました。

0 コメント

2013年

4月

21日

ハナミズキ咲く頃

 今年もハナミズキの花が咲く頃になりました。群馬の色々な場所でハナミズキの白い花が咲き始めたのを見かけると、どうしても、小牧の家のハナミズキを思い出してしまいます。小牧の庭でずっと家族の歳月を見守ってくれている我が家のシンボツリーとも言うべきハナミズキです。

 つい最近知ったことですが、ずっと白い花弁だと思っていたのは総苞片という蕾を包んでいた葉で、中心にある黄緑色のツブツブの一つ一つが花とのことです。

 本当は、白い葉と黄緑のツブツブのような花がハナミズキであるかもしれません。でも、たとえそうであっても、やはり、我が家のハナミズキは、白い大きな花を毎年咲かせ、そっと家族を見守っていてくれていると思いたい・・・。白い花の不思議な力を信じていたい・・・。

 

0 コメント

2013年

4月

17日

牡丹咲く

 「立てば芍薬座れば牡丹」、そういえば、実家の庭に牡丹もあったはずです。庭の奥まった所にある牡丹を、今朝起きるとすぐ見に行きました。蕾は膨らんでいるかしらと思って見ると、今にも咲き出しそうな気配です。

 初夏のような陽気に誘われたからでしょうか、お昼には、花開き始めていました。華麗な八重咲きの牡丹が多い中、実家の牡丹は清楚な一重咲きです。薄い薄い和紙のような質感の花びらが印象的です。

 やわらかなピンクの色合いも楚々として美しく、一重の清楚さが際立っています。でも、清楚な一重といえども、牡丹は牡丹。清楚な中にも華麗さを隠すことは出来ません。今日は、 華麗にして清楚、清楚にして華麗なこの一重の牡丹を愛でていた祖父の横顔が思い出されてなりません。

 

0 コメント

2013年

4月

16日

芍薬の蕾

 ついこの間、芍薬の赤い芽が地中から顔を出し始めたと思っていたら、いつの間にかすっかり大きくなっていました。赤い芽の面影は茎だけとなり、緑の葉を辺り一面に拡げています。蕾もだいぶ膨らんできているので、あっという間に花の時がやって来そうです。

 つい最近、知ったことですが、芍薬の花の収穫は、蕾の時に行い、花屋さんに並ぶのも蕾が多いとのこと。蕾から花開いていく様を楽めるようにという芍薬を愛する方々の素敵な気配りです。

 蕾は、ある朝突然、咲く気分になるようです。実家の芍薬、蕾が膨らんできてはいるものの、まだ咲く気分ではなさそうです。固い蕾が、少しずつ咲く気分になっていく様をそっと見守って行きたいものです。

0 コメント

2013年

4月

14日

心の風景と

 先週は、体調を崩し帰ることが出来なかった小牧の家、ゆっくりと歩んでいる私を置いてけぼりにするかのように、春は一気に駆け抜けて行っているようです。春爛漫から緑の初夏へとまるでギアチェンジをしたかのように・・・。

 眠っていた宿根草達が目覚め、落葉樹も芽吹きの時を迎え、やわらかく優しい緑が庭に、そして街に拡がっています。やわらかな優しい緑に包まれた庭、街、そして私。花の時とはまた少し違った命の輝きを全身に受け、静かに再生していく自分自身を感じています。

 自然の中で逞しく生き抜いている小さな花達や木々の緑達。そんな花や緑の姿に私の心の風景を重ねて、日々、これからも小さな文章を綴って行きたいと改めて思った日曜日の朝です。

 

0 コメント

2013年

4月

10日

木瓜の花

  ようやく今日から仕事に復帰することが出来ました。具合が悪くなった木曜の夜から1週間近くが経ち、気がつけば桜の花はすっかり散ってしまっていました。庭の様子は、2,3日で大きく変わるほど、季節は駆け足で進んでいるようです。

 春爛漫といった風情の実家の庭で、今朝は、片隅で控えめに咲くサーモンピンクの花が「よくなって良かったわね」とそっと囁いてくれました。ボケの花です。

 「ボケ」という音はあまり良いイメージではありませんが、漢字では「木瓜」と書くようです。何だかとっても地味なイメージなのに、Chaenomeles speciosa という学名には、「美しい」とか「華やかな」という意味のspeciosaという意味があるとのこと。

 我こそは女王とばかりに競って咲く春の花々の中にあって、控えめで清楚な美しさに心惹かれます。 季節の歩みに遅れないように、私も前に進んでいかなければ・・・。

0 コメント

2013年

4月

07日

嵐吹き抜けて

 週末は春の嵐になりました。嵐を運ぶ低気圧と心身が共鳴してしまったかのように、全治10日の急性胃腸炎の診断書をいただくことになってしまいました。あらまあ、新年度でやらなければならないことが山積みなのに・・・。

 実家で療養という、久しぶりに長距離の移動のない週末を過ごしています。心身に負担をかけないように移動時間を過ごしてきているつもりですが、目に見えない疲労が積み重なってきているのでしょうか。今年は、1月にインフルエンザに罹ったり、今回のウイルス性胃腸炎と、免疫力が低下しているようです。

 春の嵐が吹き抜けた後は、青空になりました。ほころび始めていた花梨は、強風と大雨にも負けず、小さな薄紅色の花を咲かせました。私も静かに病の癒える時を待つことにしましょう。

0 コメント

概要 | プライバシーポリシー | Cookie ポリシー | サイトマップ
Copyright(C)2011 Green Pallet KARUIZAWA by Kayo Hayashi.All Rigths Reserved.