モルダウの流れに

 プラハの街を流れるヴルタヴァ川・・・、何だかピンときませんでしたがドイツ語ではモルダウ川と聞いて胸が熱くなりました。スメタナの交響詩「わが祖国」の「モルダウ」の物悲しくも雄大な旋律が脳裏をよぎっています。

 胸に鳴り響く「モルダウ」の調べに歩調を合わせながら、カレル橋を渡り旧市街に入ると、対岸に聳え立つプラハ城。チェコとプラハ城の古い歴史は、頭の中をさっと通り過ぎていくばかりですが、近年この国が歩んできた険しい道のりが美しい景色と静かに重なっていきました。

 川辺の美しいフォルムの鉄柵が、かつて「東」と「西」を隔てていた鉄条網のように一瞬思えてしまって、何だか急に切なくなってしまいました。そういえば、昨日のドレスデンもかつては東ドイツでした・・・。

 川辺に集う若者や子供達のはじける笑顔は眩しく、切なさはモルダウの流れにそっと捨て去りました。


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