7月の終わり頃、道端の草むらのあちらこちらで咲いてオレンジ色の花。どこから見ても洋風な雰囲気ですが、万葉集にも詠まれるほど古くから日本にある花と知って少し驚いています。藪萱草(やぶかんぞう)という名で、忘れ草とも呼ばれているようです。
万葉の時代とどうしても結びつかないイメージの花の色と形ですが、万葉びとにとっては、憂いを忘れるほど煌びやかな花だったということでしょうか。以来、たくさんの歌人に詠まれてきた忘れ草ですが、私の心から離れないのは、山川登美子のこの一首です。
それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れ草つむ
与謝野晶子に短歌も恋も譲った薄幸の人の情念がこの花の中で燃え立っているようです。
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seks tel (土曜日, 04 11月 2017 00:05)
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