Napoli fortuna mia

  ナポリの朝、期待していたイタリアンブルーの空というわけには行きませんでしたが、「ナポリを見てから死ね(Vedi Napoli, e poi muori)」という諺があるほど風光明媚な街です。雲に覆われた少しシックな色彩のナポリも、これから始まる「青の記憶」の旅の序章に相応しいのかもしれません。

 バスから降りて、見下ろす早朝のナポリ湾。想像していたより肌寒く薄いコートが手放せません。それでも6月、吹く風は頬を優しく撫で、「Napoli fortuna mia・・・」と謳われた懐かしいメロディーが甦りました。

 美しく明るいメロディーと深く垂れこめる雲。和することのない二つはナポリの光と影の象徴でしょうか。高い失業率と貧困、そこから派生する犯罪。美しい景観の陰に隠れたもう一つのナポリの存在。すべてのものに光と影があることを忘れてはいけないと吹き抜ける風がそっと耳元で囁きました。でも、今は、南イタリアの陽光をたっぷり浴びたい・・・。


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