紫苑

 朝、久しぶりに実家の庭の花を眺める時間がありました。満開を少し過ぎた紫苑が、秋風にそっと揺れています。

 以前は、日暮れまで庭仕事に明け暮れていた父も、腰痛のため家の中で過ごすことが多くなりました。父は、今年のこの紫苑の花を庭に出て見たでしょうか。腰痛の父に代わって、草むしりなどの庭仕事を一手に引き受けている母は、紫苑の芽吹きから今日までの様子をずっと見守って来ているはずです。

 和の花というイメージにたがわず、「今昔物語」にも出てくるという紫苑です。「紫苑色」というのは優しいこの薄紫色のことでしょうか。秋の夜長、父母と炬燵で、紫苑についてゆっくり語り合う時間が持てますように。


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