まるで台風のような強い雨風もようやく上がり、雲の切れ間から青空が覗く朝になりました。強い雨と風で、庭の唯一の落葉樹、ハナミズキの紅葉した葉もずいぶん落ちてしまいました。これから北風が吹くようになると、あっという間に裸の木になって、晩秋から初冬の気配が漂いはじめます。
庭の至る所に繁茂している蔦や、常緑のコニファー類のお陰で庭全体は大きく姿を変えることはないのですが、蔦やコニファー類も、それ相応に冬の色を纏っていくことになります。
この庭に、冬を彩るパンジーやビオラ、サクラソウの仲間たちをその年のテーマを考えて、毎年植えていましたが、ここ何年かは、地植えの宿根草だけが緑の庭を彩っています。日々は移りゆき、季節もめぐって、ガーデニングに没頭していた日々は遠い記憶になりつつあります。
でも、遠い記憶は、新しい出合いと化合して、今の私が存在しています。緑や花々と向き合う心は、少しも変わっていません。緑や花々があるから、多忙な日々を何とか乗り切って行けるのかもしれません。
落ち葉は朽ちて、やがて土に還ります。そして、再び植物を生かし、植物の中で生きていきます。私も、消えることのない遠い記憶を糧に、新しい道を歩いて行こう・・・と、雨上がりの落ち葉にそっと誓いました。
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