家族の肖像

  大学進学のため18歳で故郷金沢を巣立っていった夫、以来、金沢で過ごすのは年に数えるほど・・・。生活を共にすることはできなくても、夫と、今は遥かなる地へ旅立ってしまった夫の両親は、強い絆で結ばれていました。

 碁を趣味としていた義父の背中を見て育った夫は、ごく自然に碁を覚えたのでしょうか、碁は今でも夫の大切な趣味の1つです。今は、インターネットでの対局がほとんどのようですが、碁に向き合う時は、いつも「父の背中」を感じているはず・・・。

 父と子の強い絆を暖かく見守る義母の眼差し・・・そんな家族の肖像が描かれた1枚の色紙があります。夫が、父への想いを碁に託して贈った短歌、それに対する義父の返歌は、息子への想いが溢れています。書の得意な義母が、この二つの短歌を1枚の色紙に・・・。

  この短歌を夫が作ったのは、確か30歳を過ぎた頃。でも、この短歌の向こうに見えるのは、中学生くらいの夫が、義父に碁の手ほどきを受け、その2人の姿をにこやかに見守っている義母・・・という家族の肖像です。

 

 そんな家族の肖像がふと脳裏によぎった早春の朝です。春のお彼岸も近づいてきました。


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