2014年

6月

30日

Happy Orange

  懐かしい方から電話を頂きました。多忙な日々の中で忘れかけていた花への想いが甦ってきました。久々のアートフラワーのアレンジですが、じっくりと向き合う時間はないので、移動の電車の中で、花材と花器のイメージを作り上げました。

 何種類かの明るいオレンジ色の花々の中に、脇役のごとく散りばめたシックなグリーンとオレンジ色の色味が融け合った地味目な花が、実は陰の主役でしょうか。様々な葉色と色々な形をしたグリーンをたっぷりと添えて、花器はクラシカルな形をしたブリティッシュグリーンを選んでみました。光触媒スプレーをたっぷりと何度も吹きかけて、Happy Orangeの完成です。

 Happy Orange、完成まで素敵な時間を過ごすことが出来ました。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

28日

菩提樹

  中世のヨーロッパでは自由の象徴であったという菩提樹、6月の今がまさに花の時でした。菩提樹と聞いて真っ先に思い浮かんだのが、シューベルトの「泉にそいて茂る菩提樹・・・」という訳詩と旋律です。ハンガリーの首都ブダペスト、ブダ地区とペスト地区を分かつように流れるドナウの流れは滔々として、吹く風は爽やか。天使が彫られている鉄製の街燈や石造りの建物と調和した菩提樹です。

 芳しい香りに包まれ、近藤朔風の訳詩の中で繰り返されている「ここに幸あり」というフレーズがさざ波のように胸の中に広がっていきました。夫との中欧の旅も終わりが近づいています。

 大きな歴史の渦に巻き込まれつつも、ドナウ川に抱かれ泰然として存在しているブダペストの街並み。そこに咲く自由の象徴である菩提樹の花の香りに包まれた「幸ある」ひと時。そんなひと時の記憶を遥か遠くの日本の日常に大切に持ち帰ることにしましょう。

 そして日常に戻った今、菩提樹の花の芳しい香りは少し遠いものになりつつあります。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

24日

富岡製糸場

 異郷の地の世界遺産を辿る6月でしたが、身近な故郷の街にある富岡製糸場が世界遺産になりました。富岡市富岡1-1という住所にあり、子供の頃から「片倉」と呼んで親しんできた富岡製糸場です。

 21日の登録からまだ間もない今朝、少し早起きをして、散歩がてら製糸場の今を見に出かけました。歩いて7、8分、これまでと変わらない赤煉瓦の建物がそこにありました。平日の早朝、曇り空の下でひっそりと佇む世界遺産の富岡製糸場です。

 小さな街がこれからこの世界遺産と共にどのように変わっていくのでしょうか。四季の移ろいの中、富岡製糸場をそっと静かに見守って行きたいものです。

0 コメント

2014年

6月

05日

ブラチスラヴァにて

 一昔前までのチェコスロバキアという一つの国は、今はプラハが首都のチェコとブラチスラヴァが首都のスロバキアという二つの国になっています。ウイーンからハンガリーのブダペストに向かう途中で、ブラチスラヴァに立ち寄りました。

 プラハの歴史地区の威風堂々たる建造物に比べ、素朴な雰囲気の漂うブラチスラヴァ街並のですが、ブラチスラヴァ城は、ハプスブルク家のマリア・テレジアの居城であり、聖マルティン大聖堂では歴代の国王の戴冠式が行われた由緒ある街とのことです。

 歴史薫る聖マルティン大聖堂を後にした後は、新市街を散策しました。お洒落なカフェの立ち並ぶスタイリッシュな街に可愛らしい子供達の行列が。遠足の子供達が、小さなお財布を握りしめてIce cream Cafeに並んでいます。子供達の賑やかな声が街路樹を響き渡る昼下がりのひと時でした。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

04日

ウイーンの薔薇

  ウイーンを象徴する建造物シュテファン大聖堂を臨むように優しく薫るピンクの薔薇。シェーンブルン宮殿をはじめとしてたくさんの見所のあるウイーンですが、麗しきウイーンの薔薇達に囲まれたVolksgartenでのひと時は、馨しい香りの記憶と共に忘れられないひと時となりました。

 この美しき薔薇達の姿をいつも身近で見ていたいという想いは、今も昔も変わらないのではないでしょうか。身近で使う陶磁器に描かれた薔薇はそんな想いが結実したもの。ヘレンドのウイーンの薔薇、1918年まではハプスブルク家の門外に出たことのない高貴なものだったとのことです。

 陶磁器に描かれた薔薇も美しいけれど、今は、何よりも本物のウイーンの薔薇の想い出を。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

03日

チェスキー・クルムロフ

 中世の面影がそのまま残された街チェスキー・クルムロフへ。緑に包まれた小さなお伽の国のような街並を、到着した日の夕方と翌朝ゆっくりと散策しました。旧市街を見下ろすように聳え立つチェスキー・クルムロフ城は13世紀に築かれ、16世紀までは手工業と交易で繁栄したとのこと。

 しかし、鉄道の路線から外れたことで、その後の繁栄からはすっかり取り残されてしまったようです。そして、第二次世界大戦後の大きな政治変革の渦に巻き込まれ、街は無人と化してしまったとのことです。

 二つの負ともいえる偶然が奇跡的に重なり合い、今こうして中世の面影の残る街並を映し出してくれています。二つの負を克服した奇跡の街は、時をも超越し、ただ静かに佇むばかりです。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

02日

モルダウの流れに

 プラハの街を流れるヴルタヴァ川・・・、何だかピンときませんでしたがドイツ語ではモルダウ川と聞いて胸が熱くなりました。スメタナの交響詩「わが祖国」の「モルダウ」の物悲しくも雄大な旋律が脳裏をよぎっています。

 胸に鳴り響く「モルダウ」の調べに歩調を合わせながら、カレル橋を渡り旧市街に入ると、対岸に聳え立つプラハ城。チェコとプラハ城の古い歴史は、頭の中をさっと通り過ぎていくばかりですが、近年この国が歩んできた険しい道のりが美しい景色と静かに重なっていきました。

 川辺の美しいフォルムの鉄柵が、かつて「東」と「西」を隔てていた鉄条網のように一瞬思えてしまって、何だか急に切なくなってしまいました。そういえば、昨日のドレスデンもかつては東ドイツでした・・・。

 川辺に集う若者や子供達のはじける笑顔は眩しく、切なさはモルダウの流れにそっと捨て去りました。

続きを読む 0 コメント

2014年

6月

01日

ドレスデンの青空に

 中部国際空港からヘルシンキ経由で、チェコのプラハへ。ドイツと中欧4か国を巡る旅の始まりです。まずは、エルベ川のほとりにバロック建築が立ち並ぶ美しい街ドイツ、ザクセン州のドレスデンへと。世界遺産にも登録されている古い街並みの中に佇むと、時空を超えて古き時代に身を置いているような錯覚に陥ってしまいそうです。

 でも、この歴史薫る街並みは、そのほとんどが第二次世界大戦末の「ドレスデン大空襲」で破壊されてしまい、今、目にする建築物のほとんどが戦後再建されたものとのこと。戦争によってすべて破壊された街並みが、長い時間かかってようやく昔と同じ姿を取り戻すことが出来たこと、ドレスデンの青空を背に佇む教会が平和の尊さを静かに教えてくれているようです。

続きを読む 0 コメント

概要 | プライバシーポリシー | Cookie ポリシー | サイトマップ
Copyright(C)2011 Green Pallet KARUIZAWA by Kayo Hayashi.All Rigths Reserved.