2012年

9月

29日

秋の実

 久しぶりの軽井沢、散歩道も少しだけ秋の気配です。ぎっしりと詰まった青い実が、赤く色づこうとしています。この実は、いったいどんな花を咲かせていたかしらと思い出そうとしても、まったく思い出せません。それもそのはず、この実の結ぶ散歩道は、夏に新しく見つけた散歩道です。花の頃は、まだ未知の場所でした。

 でも、いつもの散歩道となった8月の中旬頃には、すでに青い実がぎっしりと。この実を結ぶ花は、今はまだ幻の花ですが、来年は、是非逢いたいものです。白い釣鐘型の花がルピナスのように咲くのかしら、それとも、この茶色いがくの感じから、意外と大きな白い一輪の花かしら。幻の花を色々と想像してしまいますが、さて実際の花は・・・。

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2012年

9月

27日

風に揺れるコスモスに

 秋風に揺れるコスモスがそこここに見られる季節になりました。可憐な花ですが、「宇宙」という意味をその名前に持つ花、コスモス。

 混沌とした無秩序な「カオス 」から、整然とした秩序ある「コスモス」へ。この可憐な花が、なぜコスモスと呼ばれるのか・・・。古代ギリシャ人を想って、しばし、思索してしまいます。もの想う秋に相応しい花です。

 果てしなく広い、無限な宇宙の中の小さな小さな存在である私達人間。時々、それを忘れてしまって、自分の生きている小さな限られた世界に閉じ込められてしまっているような・・・。自分自身を呪縛してしまっていることはないかしら。

 風に揺れるコスモスの花が、広く果てしない世界へと誘ってくれるようです。9月も残り少なくなってきました。

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2012年

9月

24日

此岸にて

 今こうして生きているこの世界「此岸」、歓びや悲しみに満ち満ちたこの世界。この世界で、泣いたり笑ったり、歓んだり悲しんだり、怒ったり許したり・・・。そんなすべてを超越した「彼岸」が向こう岸に待っているのなら、「此岸」でもがき苦しんだり、思い悩んだりすることも、何だかあまり辛くはないような気がしてきました。

 いつか魂の還る場所が「彼岸」であることを祈りながら、「此岸」で今日を精一杯生きていくことにしましょう。燃えるように激しい歓喜も苦悩も悲愴も、そして、淡々とした安寧も、様々な感情をひとつひとつ噛みしめながら。

 夜、久しぶりに散歩に出かけました。魂が燃え立っているような真っ赤な彼岸花と、すべてを超越したかのように穏やかな白い彼岸花が、入り混じって月の光りに静かに輝いています。  

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2012年

9月

22日

「彼岸への憧憬」

 昨日は、両親とお彼岸のお墓参りに行ってきました。そして、1月に亡くなった叔父の仏前にもお参りさせて頂きました。花屋さんにお彼岸のお供えの花をお願いしたところ、優しい色合いの花束を作ってくださいました。感謝の気持ちを込めて叔父の仏前に。

 「先祖を敬い、亡くなった人を忍ぶ」という秋分の日、秋の彼岸会の中日です。お彼岸というと、お彼岸の法要を思い起こす今日この頃ですが、久しぶりに、本来の「彼岸」という意味を思い出しました。

 学生時代、美術史を専攻していた先輩の卒論が「彼岸への憧憬」という題名でした。さまざまな煩悩に満ち満ちた「此岸」を生きている私達人間、そして、河の向こう岸の「彼岸」。煩悩を脱却した悟りの世界です。いつか「彼岸」の境地へと・・・。

 「彼岸への憧憬」、若い日の感性に響いた言葉でした。それから幾歳月、「此岸」で生きることに精一杯で、「彼岸への憧憬」さえも、どこかへ置き去りにしてしまっている今日この頃です。今再び「彼岸への憧憬」を。

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2012年

9月

19日

九份茶坊にて

     九份茶坊のHPより
     九份茶坊のHPより

 この旅で是非買いたかったものが、台湾茶器です。故宮博物館のショップやお土産物屋さんにも茶器は色々ありましたが、これぞという心ときめくものに巡り合えないままに旅も後半へと。

 ツアーで行動範囲が限られている以上に、何の下調べもしなかったので当たり前と言えば当たり前なのですが。山積みされた商品が溢れる雑然としたお土産屋さんが所狭しと立ち並ぶ九份、この街にも、私の探している茶器はありそうもありません・・・。

 そんな時、レトロな落ち着いた雰囲気のお店が目の前に現れました。このお店の周辺だけが違った空気に包まれ、ゆったりとした特別な時間が流れているようでした。吸い込まれるように店内に。そして、ボーンチャイナのような光沢をした白の茶器セットが私を待っていてくれました。

 大事に手持ちで持ち帰った茶器。そして、初めて、九份茶坊について知ることが出来ました。由緒ある空間でゆったりとした時間を過ごすことが出来なかったのは心残りでしたが、いつか違う季節にまた訪れてみたいものです。

http://www.jioufen-teahouse.com.tw/

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2012年

9月

18日

坂の街九份へ

 夕方から台北の郊外の坂の街九份へと。夕食は、「阿妹茶樓」というノスタルジックな雰囲気のお店で。宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」のイメージを作り上げる過程でインスパイアされた場所の一つとのことで、大変混雑していました。

 食事が済む頃には辺りは真っ暗に。提灯が燈り始め、幻想的な雰囲気が一層高まって来ました。提灯の明かりに、カオナシを彷彿とさせるお面が、白く浮かび上がっています。まるでファンタジーの世界に迷い込んでしまったような錯覚に。

 お店の階段下のスペースは、小さな庭になっていて、睡蓮が水鉢の中でひっそりと咲いていました。闇に咲く睡蓮の花、幻想的な雰囲気は最高潮に。

  

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2012年

9月

17日

回廊と花と

  中正紀念堂を見学した後、その中にある公園を通ってバスが待っている出口へと向かいました。相変わらずの蒸し暑さでしたが、木々に囲まれた公園の木陰は、少しだけひんやりとした空気が漂っているようでした。老若男女が太極拳らしきものをしたりと、土曜の穏やかな空気に包まれています。

 バスを待つ間、しばしの休憩です。極彩色溢れる街並みに少し辟易していた私の前に白とグレーのシックな回廊が・・・。台湾の伝統を現代にマッチさせた洗練されたエキゾチックな空間です。残念ながら、この回廊を歩く時間はありませんでしたが、心の翼でこの回廊をぐるりと回ってみることにしましょう。

 いかにも南国といった雰囲気のスパイダーリリーという白い不思議な形をした花も、この回廊とコラボしてさらにエキゾチックな雰囲気を高めているようです。

 

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2012年

9月

15日

鏡の向こう側

 鏡に写るアンスリウムと本物のアンスリウムのアレンジ二つ。台北アンバサダーホテルのエレベーターの前の風景です。滞在中毎日、「いってらっしゃい」と送ってくれ、「おかえりなさい」と出迎えてくれた花達です。

 旅という非日常で出合う風景、それも朝晩毎日出合う風景です。鏡の向こうには、どんな世界が広がっているのかしらと思わず考えてしまいました。このまま、花に触れたら、鏡の向こうの世界に引きこまれそうな、そんな気分になりました。 鏡の向こうの世界、いつか行ってみたいものです。

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2012年

9月

14日

伝統の花刺繍

 古い街並みと新しい街並みが交錯し、独特の活気が溢れる街台北、そんな台北の新しさの象徴である台北101には混雑を避け朝一番で展望台へ。ショップはまだ開店前、素敵なディスプレイを見ることも出来ずに展望台へと駆け足で。

 展望台からの帰路も、もちろん駆け足です。ようやく開きつつあるショップの前も素通りしなければなりません。でも、オーガンジーに浮び上がる台湾伝統の花の手刺繍に目が釘付けとなりました。

 伝統の花刺繍の向こうにディスプレイされているのは、コンテンポラリーな雰囲気の品々。伝統と現代がコラボした秀逸なディスプレイに、度肝を抜かれてしまいました。立ち止まっていたのは、ほんの数秒かもしれませんが、このオーガンジーに浮かび上がるように咲く花刺繍はいつまでも心に残る風景となりそうです。

 

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2012年

9月

13日

街路樹

 成田から3時間半、台湾桃園国際空港に到着しました。JTBのバスで、まず最初に向かったのは故宮博物館です。高速道路を走るバスの中から見る台北の街並み、建物が少しだけエスニックなくらいで、遠目にはあまり日本と変わらないといった印象でした。

 ところが、信号で停止したバスから見えた街路樹にびっくり。大きく育ったガジュマルのような植物の枝から、根が沢山生え垂れ下がっているではありませんか。亜熱帯の台湾にやって来たという実感がようやく湧いて来ました。

 その後、短い時間でしたが、激しいスコールに見舞われました。故宮博物館に到着する頃には雨はピタリと止みましたが、これぞ亜熱帯という蒸し暑さが私達を迎えてくれました。このような気候の中で街路樹はこんなに大きく育っているのでした。

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2012年

9月

12日

ストレチアに見送られて

 金曜日から4日間台湾に行ってきました。異国への旅の楽しみの一つは、食と文化の違いを体感することでしょうか。そして、その旅に自分らしさというエッセンスをほんの少しふりかけるだけで、異国の街はまた違った表情を見せてくれるような気がします。

 ツアーという限られた日程の中では、自分の興味のある場所に行くことはなかなか出来ません。でも、決められた場所と時間の中で、小さな心の旅を沢山楽しむことにしましょう。

 亜熱帯特有のエキゾチックな雰囲気の植物に出合うことは出来るでしょうか。台北のホテルやレストランなどのエントランスの花あしらいは、どんな感じかしら。台湾の伝統を受け継ぎつつも現代にマッチする雑貨を探し出すことは出来るかしら。

 成田のチャイナエアラインのラウンジで、極楽鳥花という別名を持つストレチアに見送られて、台北と旅立ちました。花言葉のように輝かしい未来でなくても、つつましやかな未来へと向かって。

 

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2012年

9月

06日

雲場池の畔で

 

 夏と秋の狭間のこの季節、まだまだ夏の勢いが強いようです。朝晩少しだけ感じることの出来る秋の気配ですが、太陽が昇るとともに、真夏に逆戻りのような暑さです。蓄積した夏の疲れが、少しずつ出てくる時期かもしれません。

 そんな日は、すっかりどこかに隠れてしまった秋の気配を探すより、夏の日の涼やかな記憶を辿ってみましょうか。今朝は、緑が湖面に映る8月の終わりの軽井沢の雲場池の畔を。

 大きく深呼吸すれば、湖面を渡る涼やかな風が甦ってくるようです。しばし、雲場池の畔に佇んで・・・。今日も残暑厳しい一日になりそうです。

 

 

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2012年

9月

04日

九月の風を

 9月の爽やかな風を日常にも。夏の名残と秋への足音が入り混じっている9月の野原を吹き抜けていく爽やかな風。5月の爽やかな風が、萌え立つ緑の心躍る風ならば、9月の爽やかな風は、秋への序章へと続く少し物悲しい風でしょうか。

 碓氷軽井沢インター降りて軽井沢へと続く山道は、ススキが風に揺れ、すっかり秋の気配でした。非日常から日常へと舞い戻っても、軽井沢の森を吹き抜けている爽やかな9月の風を心の中に。そんな9月の風を、小さなアレンジにしてみました。

 

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2012年

9月

03日

September Smile

 9月の初めの日の軽井沢。雨が激しく降ったり止んだりとめまぐるしく変わる天気の中、ほんのひと時の晴れ間に浅間山が美しい姿を見せてくれました。久しぶりの恵みの雨と共に、9月の素敵な贈り物となりました。

 暗雲が去り、突然広がった青空。そして、その青空のもとの雄大な浅間山です。高原の爽やかな風が吹き抜け、浅間山に向かっていつの間にかにっこりと微笑んでいました。

 暑い8月が終わり、詩的な響きのSeptemberの始まりです。微笑で始まった9月、このSeptember Smileが続きますように。

 

 

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