2012年

6月

28日

あけび

 ついこの間、花の時を迎えていた杏ですが、あっという間に実が熟す頃となりました。黄色く熟し始めた杏の実を見ようと、見上げると、何とあけびの実が。杏の木に、あけびの蔓が巻きついていました。

 杏とあけびの共存というよりも、あけびが逞しく杏の木に巻きついて、自分の場所をしっかりと確保しているといった方が相応しいような感じがします。杏は、大らかに「どうぞ、ご自由に」という雰囲気でしょうか。

 杏の大らかさも、あけびの逞しさも、どちらもいいなあと思ってしまいます。色んな個性があって、世界はなりたっているのですね。

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2012年

6月

26日

薄紅の花

 夕方、両親と出かけた場所で見つけた1本の木、母が「これがねむの木よ」と教えてくれました。ねむの木と聞いて真っ先に思い出したのが、美智子皇后陛下作詞の「ねむの木の子守歌」です。

 「薄紅の花の咲く ねむの木陰でふと聞いた 小さなささやき ねむの声」 夜になると閉じるという特徴ある葉は、何となく知っていましたが、花を見たのは初めてです。

 夏の夕暮れ時に咲くという薄紅の花、ねむの木の花に出合うことが出来ました。「ねむの木の子守歌」のシンプルな旋律と美しい歌詞が溶け合って心の中で響きあっています。ほんの少しだけ時間が止まった夕暮れ時でした。

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2012年

6月

24日

野薔薇

 軽井沢のいつもの散歩道、別荘地の鬱蒼とした森を抜けると、突然空気が変わります。空まで届くような鬱蒼とした針葉樹林は、単に陽の光を遮るばかりではなく、フィトンチッドを発散しているからでしょうか。体感気温も何度か違うように感じます。

 避暑地という非日常の空気から、町の人々の暮しのある日常の空気へと変わる場所に、野薔薇が咲いているのを見つけました。野茨ともいうようですが、野原に咲く薔薇という雰囲気をあらわす野薔薇の方が似合うような気がします。

 日常と非日常を繋ぐ場所に、ひっそりと咲く野薔薇。鬱蒼とした森に咲くウバユリが非日常を象徴する花であるならば、この優しい野薔薇は、日常と非日常を繋ぐ花でしょうか。明日からの日常を乗り切れるように、日常へと是非連れて行きたい心の中の花達です。

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2012年

6月

23日

再びウバユリに

 1か月ぶりの軽井沢です。昨年の夏、軽井沢の森で初めて出合ったウバユリですが、再び出合える季節が近づいて来ました。開花は確か7月末くらいだったはずです。

 もうどのくらい大きくなったかしら?花芽は?と昨夜軽井沢に到着してからずっとソワソワでした。明るくなるのを待って、ウバユリの咲く森へと急ぎました。大きく成長した葉に守られるようにして、小さな花芽が今まさに出たばかりといった雰囲気です。

 これから1か月、開花に向けてその命を輝かせていくウバユリです。発芽からこの小さな蕾になるまで6~8年もの長い時間がかかっていると思うと、愛しさが一層増して来ます。私は、8年前は一体何をしていたかしら・・・。

 今、振り返ってみると、その頃から、2012年の「今」という時を迎えるための準備を少しずつしていたような気がします。道の大きな曲がり角もいくつかあったけれど、すべては「今」を迎えるための道だったように思います。そして、今年もまたウバユリに再会出来ました。

 

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2012年

6月

16日

瑠璃色

 いつも見ているのに気づかなかった風景や物にある日突然気づくことがあります。安中榛名駅の待合室に飾られている大きな絵、これまでは何気なく見ているだけでした。でも、今朝は、この絵の瑠璃色に輝く葉に目が釘づけになってしまいました。色々な青との出合いが導いてくれた瑠璃色の葉です。

 明るい月夜の庭で、蒼い月の光を浴びて瑠璃色に輝く葉。いくつもの物語が1枚の絵から浮かび上がってくるようです。物悲しい物語も似合うようであり、歓びに満ちた物語にも似合うようにも思えます。それぞれの想いを胸に見ることの出来る1枚の絵。

 瑠璃色の葉の上に小さなてんとう虫を見つけました。幸せを呼ぶというてんとう虫です。この絵を見る人に幸せが訪れるようにという作者の願いが伝わってくるようです。

 

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2012年

6月

14日

紫露草

  実家の庭の片隅で紫露草が咲き始めました。紫陽花の陰にすっかり隠れてしまっていますが、紫露草も6月を象徴する花の一つです。朝露の似合う楚々とした姿を見ていたら、忘れてかけている大切なものの存在に気づきました。

 あるがままに素朴に生きていくことの尊さをすっかり忘れていたような気がします。美しく華やかな薔薇に憧れる自分自身を否定しはしないけれども、雑草のように逞しく素朴に咲く紫露草の心意気も忘れずにいたいものです。

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2012年

6月

12日

群青

 津軽びいどろの青の清冽さが脳裏から離れません。そんな青の記憶を持ったまま、群馬での日常が始まりました。青の記憶は、青の花々との出合いへと導いてくれました。昨日、いつもと少し違った道で出合った青の花々です。

 微妙な色のニュアンスを、美しい漢字で表す日本の伝統色、青にも沢山の呼び名があります。幼い頃からクレヨンで慣れ親しんだ群青色、その群青色の花に出合うことが出来ました。群青色に輝くラークスパーと、その青を際立たせるような優しい色合いのカンパニュラです。このカンパニュラの優しい薄紫は、日本の伝統色では霞色と呼ばれているようです。

 いつもなら、霞色に心惹かれるはずですが、なぜか群青色に。群青・・・清冽な青春の時を思い起こさせるような言葉の響きと、それに相応しい鮮烈な色合いです。今日から3週間、いつもより忙しい時を過ごさなければなりませんが、群青の清冽と鮮烈を忘れずに過ごしていきたいものです。

 

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2012年

6月

10日

津軽びいどろ

 梅雨時の憂鬱さに呑み込まれてしまわないように、昨日、ブルーのグラデーションが晴れやかな津軽びいどろの花器を出しました。このびいどろを眺めていたら、心身が記憶している夏の暑苦しさなどすっかりどこかに置き忘れてきたような感じです。ただ、夏の爽快さだけが思い出されます。

 その昔、訪れた奥入瀬の渓流の瀬音がまるでどこからか聞こえてくるようです。青い空と木々の緑、そしてどこまでも続く清冽な渓流。すっかり忘れていた記憶の中の奥入瀬渓谷の景色が甦りました。

 写真でもなく、絵でもない。ただフォルムと色彩だけで、記憶の中の1ページを鮮やかに甦らせることが出来るもの・・・なんて素晴らしいのでしょうか。この津軽びいどろを飾った次の日の今日は、6月とは思えないような青空の爽やかな1日になりました。

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2012年

6月

07日

6月は紫陽花

 5月に咲く花、5月を象徴する花はあり過ぎるくらいなので、たった一つの5月の花を選ぶのは結構大変ですが、6月といえば紫陽花。今月の事務所のアレンジは、迷うことなく紫陽花に決まりました。

 青の紫陽花は、雨雲の彼方の青空を思い出させてくれ、梅雨空の憂鬱さを跳ね除けさせてくれるような気がします。でも、選んだのは青の紫陽花ではなく、紫とピンクの紫陽花です。その名に「紫」という漢字が入っている紫陽花ですし、シックな紫に心惹かれます。ただ、紫ばかりだと暗くなってしまうので、明るめのピンクとミックスしてみました。

 色々な花言葉を持つ紫陽花ですが、「移り気」や「高慢」などというマイナスイメージの花言葉ではなく、「辛抱強い愛情」や「元気な女性」という花言葉のほうが似合っているのではないでしょうか。

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2012年

6月

05日

紅薔薇

 多感な少女の頃、繰り返し読んだ物語の数々。村岡花子さんの名訳に憧れ、将来は英米文学を専攻して、自分だけの「若草物語」や「赤毛のアン」を翻訳したいと思ったこともありましたっけ。その頃から幾歳月、英語にも翻訳にもほど遠い生活を送っています。

 でも、心の奥の奥には、少女の頃の夢や希望の残照がまだほんの少し残っているような気がします。夕方、散歩から帰って来ると、実家の庭の片隅に一輪の紅薔薇が咲いていました。

 この紅薔薇を眺めていたら、少女の頃の憧れが一つ甦りました。何の物語に出てきたシーンなのか思い出せませんが、花束ではなく、箱に入った一輪の紅薔薇の贈り物です。「文学散歩」も棚上げ状態ですが、少女の頃の感性に再会する小さな心の旅に是非出かけたいものです。

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2012年

6月

03日

Green & White

 あっという間に今年の折り返しの6月になってしまいました。OnとOffがはっきりとしている今、小牧で過ごすOffの時間は貴重です。1月に叔父の仕事を引き継いでから半年、心身の疲労を溜めこまないようにすることだけを気をつけてきました。

 しかし、ようやく引継にかかわる様々なことにも目処が立った今、事情を理解し群馬へと送り出してくれる夫に改めて感謝しなければという思いを強くしています。これからは、夫の心身の疲労も溜まらないように気遣っていかなければならないと思っています。

 ずいぶん以前、庭造りをしたころに何株か植えた蔦が今、庭中に繁茂しています。時を経たレンガとガーデンテーブルとチェア、緑の蔦が足元を優しく包んでいます。白が緑を引き立てているのでしょうか、それとも緑が白を引き立てているのでしょうか。Green & White のとても落ち着く空間です。

 この庭で、1週間の疲れを癒し、また新たな1週間へと旅立って行きましょう。

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